ほたる家ブログ

日々の出来事日記。
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ありがとう!!に出合って
それは、夏休みがもうすぐ終わるという残暑の厳しい日のことでした。熊本市内の中学校の先生からかかった一本のお電話から始まりました。
「リバーサイド熊本の施設を見学させていただきたいのですが」
どういう意向か解りませんでしたが、オープンをモットーにしている施設としてはお断りする訳がありません。
「どうぞ、どうぞ」
先生がおいでになり、理由をお伺いしてびっくりするやら、感激するやらでこれは是非皆さんにご紹介しなければと思い立ちました。
毎年リバーサイド熊本では、「ナイストライ」と銘打った河内中学校の生徒さんの体験学習のお手伝いの一環で施設のボランティアをしていいただいているのですが、その体験レポートが、なんと! ! 教育出版社の熊本県版強度資料に掲載されることになり、その施設を見たいと思われたのだそうです。私たちはあまりの立派なレポートに感激と胸の高まりとそして面映い思いを感じながら読ませていただきました。
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ご紹介致します。
【ありがとうに出会って】
「有難うねえ。また会えるように、頑張って生きとくけんね。」
私は、松永さんのその一言を、絶対に忘れることは出来ません。
松永さんと出会ったのは、夏休みの八月中ごろ。私たちがボランティア活動で訪問した、特別養護老人ホーム(リバーサイド熊本)においてでした。
「老人ホームって、なんか暗くて寂しそう・・・。」
正直言ってそんな気持ちを持ちながら、興味半分で参加したわたし。しかし、建物に入ったとたん、目を丸くしました。車椅子のためのスロープ、段差の無い玄関、明るく広い廊下、清潔な個室、そして設備の整った浴場やトイレ、・・・私が抱いていたイメージとはまったく正反対の、お年寄りを温かく迎え入れる空間がそこにありました。
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たちはまず、車椅子の扱い方やお年寄りとの接し方を習い、それから1人ずつ、担当するお年寄りの部屋に挨拶に行きました。
「こんにちわ」
私は緊張しながら、それでも大きな声をかけました。そんな私を無表情にじっと見つめるだけの、一人のおばあさん・・・それが松永さんでした。小柄ですごくやせていて、無表情の奥には、言いようの無い寂しさを隠しているようにも感じられました。
「ご飯は美味しいですか。」
「お祭は楽しかったですか。」
と、私が思いっきり明るく声をかけても、松永さんは、うなづいたり首を振ったりなさるだけで、言葉は返ってきませんでした。ここには、松永さんのような無口な方もいらっしゃれば、話し出したら止まらないほど元気な方、そして何かつらい過去を思い出されたのでしょうか、泣き叫ぶ方もいらっしゃいました。食事が自分で食べられない方など、食事の内容も様子もさまざまでした。
たった二日間、食事やベッドのお世話をしたり、話し相手になったり、車椅子を押したりしただけなのですが、私の心の中には抱えきれないほどのたくさんの、しかもはじめて感じるような気持ちが芽生えてきました。
私の家には、八十九歳のほとんど寝たきりの祖父がいました。我が家には母がいないため、家事はこれまで七十七歳の祖母が一人でやってきました。父は朝7時頃には仕事に出かけ、夜遅くまで帰ってきません。(足や腰が痛いのを我慢しながら、家族のために頑張ってくれる祖母を何とか楽にしてあげたい・・・)私は幼いころから、自分に出来る家事を精一杯手伝ってきました。今では家事、洗濯、掃除から家族の弁当作りまで、ほとんどのことが出来ます。「手伝ってくれてありがとうね。」という祖母の笑顔にまたファイトが沸いてくるのです。しかし、祖父の世話だけは祖母にまかせっきりでした。そして祖父は、私がボランティア活動に行く直前に亡くなりました。祖父を失って初めて、何の力にもなれず、支えてあげることの出来なかった自分を悔やみました。
祖父や祖母、そして松永さん・・・。私の心の中で、何か繋がったような気持ちがしました。私の何倍もの年月を生きてこられた方々のために職員の皆さんと一緒に、家族のようにお手伝いが出来たことがすごくうれしくて、胸がいっぱいになっていました。
「また会いに来ますからね、さようなら」
あっという間のボランティア活動を終え、私は松永さんに最後のあいさつをしました。
すると、ずっと無口だった松永さんが、初めて言葉を返してくださいました。
「ありがとうね。また会えるように、頑張って生きとるけんね。」
うれしくてうれしくて、涙があふれて止まらない私の手を、松永さんは、しわしわの細い手でしっかりと握ってくださいました。
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ボランティア活動で出会った「ありがとう」の一言。そこから私は、誰かのために何かをしたいという気持ちを心の中に強く持つようになりました。将来、私は、松永さんたちのようなお年寄りの方々のために働く仕事に就きたいと強く決心をしながら(リバーサイド熊本)を後にしました
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ここでレポートは終わっています、読ませていただいた私達職員は、感動 という言葉以外思い浮かべる事ができませんでした。

レポートに登場する松永さんは98歳までご長寿なさり、つい先日旅立たれました。きっとこの作者の励ましがご長寿の糧になったのだと思います。
何と熊本の未来も捨てたものではありません。このレポートを書かれたお嬢さんは残念ながら福祉の世界には進まれなかったのだそうですが、保育士として社会貢献をしておいでだそうです。『三つ子の魂百まで』といいますよね、こんな先生がしっかりと幼児たちに、『ありがとう』を教えてくだされば明るい未来が見えてくるような気がします。
ちなみに、教育出版社の意向は目当てとして【ボランティア活動を通して、筆者の温かい心情をつかみとろう】としています。またボランティア活動をしていく中で筆者の心に芽生えた(はじめて感じるような気持)とは、どんな気持ちだろう。また筆者が出会った(ありがとう)は、私たちに何を伝えているのだろう。という手引きをしています。
考えさせられました。福祉に携わっていながら・・と反省したり、もっと頑張ろうと意を正した次第です。

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by hotaruyas | 2008-11-06 14:12

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